2010年12月14日

年金支給額を5年ぶり減額へ=11年度、物価下落で―厚労相


 細川律夫厚生労働相は14日の閣議後会見で、2011年度の公的年金支給額を引き下げる考えを表明した。引き下げは06年度以来、5年ぶりとなる。

 10年度の支給額は、国民年金で月額6万6008円(1人分)、厚生年金で同23万2592円(標準的な夫婦2人世帯)。11年度の引き下げ幅は0.3%程度、数百円程度となる見通し。

 公的年金は、給付額を物価変動に応じて増減させる「物価スライド」を適用していたが、00年度から3年間は、物価下落にかかわらず、特例措置として年金額を据え置いた。このため、現在の支給額は本来よりも高い水準となっている。 

(12月14日 時事通信火)
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2010年11月17日

年金未納分事後納付の受付は3年に


 民主、自民、公明の3党は15日、国民年金未納分の事後納付を2年分から10年分に延長するとした国民年金法改正案に対し、事後納付できる期間を3年に限定することで基本合意した。事後納付できる期限を設けていなかった政府案に対し、自民党などは未納が増加する可能性があると指摘していた。3党は改正案を修正し、今国会での成立を目指す。

(11月15日 産経新聞)


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2010年10月20日

持ち主判明の年金記録、3252人分統合放置



 日本年金機構が、年金記録の持ち主が判明していたのに、3252人分の統合作業を放置していたことが会計検査院の調査で分かった。

 うち565人分は検査院が昨年、旧社会保険庁時代に指摘していたもので、検査院は20日、機構と、業務を委託している厚生労働省に改善を求めた。

 検査院は昨年11月、1133人分の年金記録の統合が行われていないと指摘。今年改めて社保庁から業務を引き継いだ機構を調査したところ、昨年の指摘分について年金事務所にきちんと伝わっておらず、半数の565人分の統合が行われていないことが判明した。

 また、各事務所の窓口などで行われた年金記録相談で未統合が判明したうちの356人分も、対象者から正式な届け出が出ていないとして統合していなかった。このほか、未統合の年金記録の持ち主の可能性がある対象者に郵送で送られ、記録が自分のものだと返送されてきた2322人分も記録の確認が遅れていた。検査院の調査では、3252人のうち2413人分は年金の支給額が1億5800万円分増える見込み。

(10月20日 読売新聞)
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2010年10月15日

年金記録の入札情報漏洩事件で、年金機構など家宅捜索 警視庁


 日本年金機構(旧社会保険庁)職員による年金記録照合作業の入札情報漏洩(ろうえい)事件で警視庁捜査2課は15日、官製談合防止法違反などの容疑で東京都杉並区の機構本部や入札情報を得た情報処理会社「NTTソルコ」(東京都港区)など関係先数カ所を家宅捜索した。

 ソルコ社は、全国29カ所で行われた一般競争入札のうち17カ所の入札に参加、2カ所を落札した。機構の内部調査などでは、官製談合防止法違反容疑で逮捕された機構職員、高沢信一容疑者(46)がソルコ社以外にも別の入札業者2社に情報を漏らしていたことが判明しており、漏洩が入札結果にどの程度影響を与えたのか、実態を詳しく調べる。

 同課の調べに対し、高沢容疑者とともに競売入札妨害容疑で逮捕されたソルコ社社員、山本一郎容疑者(43)は「昨年12月ごろに業務が発注されることを知り、自分の業績を伸ばせば社内の地位を向上できると思った。(社保庁時代に同僚だった)高沢容疑者に連絡を取って情報提供を依頼した」などとしている。ただ、高沢容疑者が山本容疑者の求めに応じた経緯については不明で、2人の間で金銭の授受や飲食接待などがなかったかなど、全容解明を進める。

(10月15日 産経新聞)
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2010年10月06日

<年金記録>全件照合、12日から作業


 年金記録問題解決の切り札とされる年金記録の紙台帳(重複分を除き7億2000万件)とコンピューター記録の全件照合について、日本年金機構は5日、作業を12日から行うと発表した。高齢受給者の記録を優先し、1件について2人体制で点検する。

 作業時間を推定するためのサンプル対象約5700人の記録から作業に着手し、その後▽受給者▽オンライン上に存在するが持ち主の判明していない未統合の記録▽加入者の順で行う。

 紙台帳のうち1億2000万件については、記録の一部に不備があって補正が必要だったり、紙台帳自体が判読不能とみられる。これについて機構は、基本的には本人からの申し出を受けて照合するとしている。

(10月5日 毎日新聞)
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2010年09月09日

<無年金訴訟>「在日コリアン」の請求棄却 福岡地裁



 旧国民年金法の国籍条項を理由に年金を支給しなかったのは、法の下の平等を定めた憲法14条に反するなどとして、福岡県内の在日韓国・朝鮮人と遺族9人が国に計1億3500万円の慰謝料を求めた在日コリアン無年金訴訟の判決が8日、福岡地裁であり、田中哲郎裁判長は「不合理な差別と言うことはできない」として原告側の請求を棄却した。原告側は即日控訴した。

 訴えたのは、同県飯塚市や北九州市などに住む78〜88歳の原告8人と遺族1人。原告は日本や日本の植民地だった朝鮮で生まれ、出生時は日本国籍だったが、1952年のサンフランシスコ講和条約発効で国籍を失った。

 59年制定の旧国民年金法は、国籍条項で年金制度加入を日本国民に限り、保険料の納付期間を25年以上とした。同条項は82年に撤廃されたが、納付期間を過ぎているなどの理由で、当時35歳以上の人は給付対象外とされた。86年に保険料の納付が25年に達しない人も年金給付対象になったが、原告側は「政府の広報不足で新制度を知らず、無年金状態になった」と主張していた。

 一方、国側は「社会保障の対象を国民に限定するかどうかは立法府の裁量の範囲内」と主張。判決で田中裁判長は国側の主張を認め「立法裁量を逸脱するとは言えない」とした。

(毎日新聞 9月8日)
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2010年09月04日

厚生年金基金、国記録と最大260万件不一致か

  
 厚生労働省と日本年金機構は2日、企業年金の一つである厚生年金基金の約2800万件の記録のうち、6.4%が国のオンライン記録と一致しなかったことを明らかにした。厚年基金全体の記録は計約4千万件で、記録ミスは最大で260万件程度に上る可能性があると推計している。

 この日開かれた年金記録回復委員会で報告した。倒産した企業などの厚年基金を管理する企業年金連合会が所有する記録約2800万件を、国側が提供した厚生年金のオンライン記録と照らし合わせて集計した。その結果、4.5%については年金額算定の基礎となる月給額や加入期間などが合わず、1.8%は年金額には直接かかわらない氏名や生年月日などが不一致だった。

 不一致だった記録のうち、国が紙台帳からコンピューターに入力する際に誤ったとみられるものもある。国のオンライン記録の加入期間が厚年基金の記録より短い受給者の場合、本来より支給される厚生年金額が少なくなる可能性がある。そのため、年金の増額につながる受給者の記録については今後、本人確認を図り、未払い分を支給することになる。

 一方、まだ受給年齢に達していない加入者の分は、記録ミスについて本人に確認し、すべて訂正していく方針だ。また、残っている個別企業を母体にした厚年基金の記録分も、国のオンライン記録との照合作業を進めていく。

(2010年9月3日 asahi.com)
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2010年08月24日

高齢者医療保険料、年金から天引き継続へ


 政府が2013年度に開始予定の新しい高齢者医療制度について、厚生労働省が75歳以上に望ましい保険料の支払い方法を聞いたところ、全体の3分の2が現行の年金からの天引き制度を容認していることが分かった。

 年金天引き制度は、08年度の後期高齢者医療制度のスタート当初、高齢者の間で不評だったが、今回の調査結果を参考に、同省はこの仕組みを新制度にも一部残す方針を決めた。

 調査は5〜6月、全国の20歳以上の男女4871人を対象に郵送方式で実施。うち75歳以上は2006人。回答率は67%だった。

 75歳以上の回答で、保険料の支払い方法に関する選択式の回答をみると、「現在と同様、年金からの天引きを原則とし、金融機関などへの支払いも選択できる方がよい」を選んだ人が66・4%に上った。

 一方、「金融機関などへの支払いを原則とし、年金からの天引きも選択できるようにした方がよい」と現行制度と異なる仕組みを選んだ人は16・4%。「金融機関などへ支払う方法のみとし、年金からの天引きは一切やめた方がよい」と天引きを全面否定した人は10・3%にとどまった。

 08年度に始まった現行制度は、75歳以上から個人ごとに保険料を徴収する仕組み。年金からの天引きに対しては、高齢者から「なけなしの年金から天引きするのか」などと当初、批判が集まった。慌てた政府は開始後数か月で、金融機関からの支払いも認めるよう軌道修正した経緯がある。今回の調査からは、天引きがある程度定着し、抵抗感が薄らいだ様子が読み取れる。

 調査結果などをもとに、厚労省は、20日に発表した新制度の中間報告で、年金天引き制度を維持する方針を明記した。

(8月23日 読売新聞)
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2010年08月19日

「旧社保庁が年金支給ミス」と200万返納要求


 年金記録に漏れがあったとして、本来受け取るべき年金との差額分約327万円を2年前に受け取った男性(76)=横浜市保土ヶ谷区=に対し、日本年金機構(旧社会保険庁)が計算ミスによる過払いを理由に約203万円の返還を求めていることが18日、分かった。

 男性は「支給された金はすでに生活費に充当し、返せない」と困惑している。

 男性は、旧社保庁による年金記録のずさんな取り扱いが問題になっていた2008年2月、厚生年金保険料の納付記録が28か月分漏れていたのに気づいた。

 記録の訂正が行われ、同庁の社会保険業務センター(東京都杉並区)が受給開始までさかのぼって再計算し、男性には1994〜02年に支給された年金と、再計算後の差額約327万円が08年5月に支給された。

(8月19日 読売新聞)
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2010年08月10日

年金機構、「及第点以上」は6割=09年度業務実績で―厚労相評価


 社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)の日本年金機構評価部会が10日開かれ、同機構の2009年度業務実績に関する長妻昭厚労相の評価が示された。年金記録問題への対応など計28項目のうち、「及第点以上」としたのは約6割の18項目にとどまり、同機構が自己評価した8割超より厳しい結果となった。

 前回会合で示された厚労省事務方による評価で「計画をおおむね達成」とされた「年金記録問題の解決に向けた取り組み」については、職員の年金記録回復基準に対する認識不足を指摘し、「計画をやや下回っている」に格下げされた。 

(8月10日 時事通信)
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2010年08月07日

<年金番号>100歳以上2倍超に 重複・死亡未整理?


 1人一つずつ割り当てられている基礎年金番号が、成人人口より123万件も多く、新たな未解明年金記録問題となっているが、100歳以上では番号数が人口の2倍以上となっている。日本年金機構は、重複して付番されているか、死亡後も届け出られず、番号が整理されていない可能性が高いとしている。死亡者に年金支給が続いているケースも考えられる。所在不明の高齢者問題に絡み、年金の不正受給の背景との指摘が出ている。

 年金受給者の生存確認については、06年12月以後、国は自治体の住民基本台帳ネットワークの死亡届情報を提供してもらい、2カ月に1度照合して不正受給をチェックしている。だが、111歳とされていた東京都足立区の男性は、約30年前に死亡しながら住民基本台帳上は生存していた。台帳の記載と居住実態が異なれば、自治体は職権で訂正・削除できるが、この男性のように自治体が把握しなかったり、把握していても訂正に至らないケースが現在、続々と発覚している。

 20歳以上の番号数と人口との差は、日本年金機構が7月に有識者会合に提出した資料によると、年齢ごとに偏りがある。79歳以上は全年齢で番号の方が多く、人口推計(09年10月)の893万人より81万件多い。100歳以上では人口推計(同)の4万8000人より5万5000件多く、番号が2倍以上になる。

 機構は原因について、死亡者が含まれるほか▽結婚や転職の前後で別々に付番された▽日本にいた外国人が帰国し番号だけ残った−−などを指摘。機構は今秋から住民基本台帳ネットワークと基礎年金番号の照合を始め、死亡者の番号の特定を進める。

(8月6日 毎日新聞)
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2010年07月28日

転職時の手続き、忘れずに=約22万人が資産放置−確定拠出年金


 従業員が自分で掛け金を運用する企業年金の確定拠出年金(DC)で、転職時に資産の移換手続きをしていない人が、3月末で21万7434人(前期比30.5%増)になったことが27日、国民年金基金連合会のまとめで分かった。その総額は前期比23.5%増の456億6900万円。

 DCは、転職しても年金資産を持ち運んで、運用を続けられるポータビリティ制度が特徴だ。ただ、若年者で資産が小額な人は「手続きが面倒だ」として、放置していることが多い。

(2010/07/27 時事通信)
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年金記録改ざん、1353人「社保職員関与」


 厚生年金の記録改ざん問題をめぐり、日本年金機構は27日、改ざんの疑いが強いとしてきた約6万9000件のうち、既に年金を受給している約2万人に対する訪問調査の最終結果を公表した。

 調査対象者の半数以上は事業主や役員だった人で、1353人が、旧社会保険事務所(現在は年金事務所)の職員から指示されたなどとして、職員が改ざんに関与したと回答した。うち213人は、職員の名前や役職などを具体的に答えた。また、調査対象者の55%が「記録が正しくない」と回答した。

(7月28日 読売新聞)
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2010年06月29日

<年金機構>照合作業漏えい 職員、29カ所の予算額も送信


 年金記録の紙台帳とコンピューター記録の照合を巡る情報漏れ問題で、日本年金機構は28日、入札参加業者に勤める旧社会保険庁OBに仕様書案を漏らしていた職員が、全国29カ所の照合現場ごとの予算額や入札参加予定業者の競合状況も漏らしていたと発表した。予算額は公示前に、競合状況は入札前にメールで送られ、機構は秘密情報漏えいにあたると判断。近く第三者委員会を設置し、職員を刑事告発するかや再入札について決める。

 機構によると、記録問題対策部所属の40代男性職員が削除したメールを復元して判明。この職員は2月6日、拠点別の予算額を送信していた。予定価格は、この予算額などを参考に調達部門が決定していた。

 さらに職員は5月6日、参加予定業者の現場ごとの入札提案書の提出状況も送信。復元されたメールから4月8日に東京都内でOBと食事をしたことも判明したが、便宜供与は否定しているという。

(6月28日 毎日新聞)
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2010年06月17日

<年金機構情報漏れ>刑事告発に否定的 総務省監視委員長


 年金記録の紙台帳とコンピューター記録の照合作業を巡り、日本年金機構が仕様書案を業者に事前に漏らしていた職員の刑事告発を検討している問題で、総務省年金業務監視委員会の郷原信郎委員長が17日会見した。郷原氏は「機構は最初から職員個人の問題ととらえようとする傾向だが、組織として入札への対応に問題がなかったかが重要」と述べ、告発に否定的な見解を示した。

 郷原氏は、公共事業の競争入札に絡む情報漏れの刑事告発について、予定価格を事前に漏らすなどの「偽計入札妨害」容疑以外、発注者側による職員の告発例は聞いたことがない、と指摘。「(仕様書案を漏らしたのは)機構の罰則に触れる行為かもしれないが、個人の不正行為に集中させるとらえ方が適切かどうか」と述べ、機構側から事情を聴く方針を示した。

(6月17日 毎日新聞)
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2010年05月02日

前借り」廃止 長妻厚労相


 長妻昭厚生労働相は1日、公的年金を担保に最大で250万円まで前借りできる年金担保貸付事業を廃止する方針を固めた。

 多額の前借りをした人が年金受給額が減って生活保護に陥るケースが増えているためだ。

 近く廃止した場合の影響調査を実施する。

 悪影響が大きいと判断した場合、事業を廃止したうえで代替措置を検討する意向だ。

 今後、廃止時期などの詳細を詰める。

 同事業の利用件数は年21万件超に上り、合計で約2000億円を融資している。

 ただ2008年度は5000人近くが借入金の返済期間中に生活保護費を受給。

 生活保護費が実質的な返済財源に充てられていることが問題になっていた。

 年金を受け取る権利を担保にした融資は禁止されているが、厚労省所管の独立行政法人福祉医療機構だけは例外的に認められている。

 本来は葬儀費や医療費などの急な出費が必要になった際、民間金融機関の融資を受けられない年金受給者が悪質な貸金業者などから借りる事態を避けるための制度。

 だが実際は、遊興費や借金返済に充てる例も多いという。

 厚労省内では、同事業を廃止しても、市町村社会福祉協議会を窓口にした「生活福祉資金貸付制度」で代替できるとの意見が多い。

 政府の行政刷新会議の事業仕分けでも年金担保貸付事業は「廃止すべきだ」と判定された。

 ただ利用者から厚労省に「廃止すべきではない」との意見も数多く寄せられている。

 厚労相は近く、利用者が融資を何に使ったのかなどについて実態調査を実施する。

 制度廃止の悪影響が大きく、既存の制度では代替できないと判断した場合は、使途や貸付額を限定するなど融資条件を見直した新たな措置も検討する。

(5月2日 日本経済新聞)

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2010年04月22日

障害年金 受給後の結婚・出産にも加算



 障害年金を受け取っている人が結婚したり、子供を持ったりした場合、現行制度では障害年金に配偶者や子供への加算はつかない。加算対象になるのは、障害年金受給前の結婚や出産のみだ。障害者から「障害があっても子供を産んで育てていこうという気持ちは同じなのに」と不満が上がっているが、受給後の結婚や出産にも加算がつくよう法律が改正された。年金制度では受給後に発生した条件変更には対応しないのが一般的だが、例外的に加算が認められる。

 大阪府に住む無職、吉川清子さん(43)=仮名=は10年前、交通事故で乗っていた車が大破した。助かったものの、以来、いろいろなことがうまく回らなくなった。夫の助けが得られず、独力で小学生の娘を育てていたが、仕事が続けられなくなった。パニック障害になって何回も救急車で運ばれ、病院で精神疾患と診断された。それからは精神安定剤やけいれん止めを飲む日々だ。

 何もかもいやになっていたとき、市役所で生活保護を受けるよう勧められた。生活保護を受けることに抵抗があった吉川さんは「体が動かないわけではないから、がんばる」と言ったものの、生活が立ちゆかない。市の職員から「じゃあ、障害年金の手続きをしてみる?」と聞かれ、受給申請した。

 結局、年金の障害等級で2級が認められ、障害基礎年金を受け取れるようになった。娘を扶養していたので加算もついた。「仕事もあまりできなかったし、ありがたかったです」と振り返る。

 2年前、次女が生まれた。しかし、窓口で次女への加算について聞いたところ、「年金をもらい始めた後に生まれた子については、年金制度では面倒を見られない」と説明された。吉川さんは釈然としない気持ちだ。

 昨春、長女は高校を卒業し、働き始めた。長女が対象だった加算は昨年3月でなくなった。吉川さんはそれまで、2級の障害基礎年金約79万円と子供の加算約23万円と合わせて102万円の年金を受け取っていたが、加算がなくなり、障害年金は約79万円になった。次女(2)の加算はつかないままだ。

 吉川さんは言う。「障害者になる前に生まれた子も障害者になった後に生まれた子も、がんばって育てていこうと思っている。同じ気持ちで育てていて同じようにお金もかかるのに、障害者になった後に生まれた子には加算がつかないなんて、まるで『障害者は子供を持ってはいけない』と言われている感じがします」

                   ◇

 ■来年4月の施行へ 数万人が加算対象

 現行制度では障害年金に「子の加算」がつくのは、障害基礎年金を受ける前から子供がいたケースだけだ。同様に「配偶者加給年金」がつくのは、障害厚生年金を受け取り始める前に結婚していたケースだけ。いずれも事後の出産や結婚に加算はつかない。

 このため、例えば生まれつき障害があった人が20歳で障害基礎年金を受け取り始めた場合、受給後に結婚して子供を産んでも子供は「子の加算」の対象にならず、障害者らから「不公平」との声が上がっていた。

 しかし、今国会で、結婚や誕生のタイミングを問わず、扶養する配偶者や子供がいる点に着目し、障害年金に加算をつけようという「国民年金法等改正案」が可決、成立した。

 厚生労働省は「年金制度は保険事故が起きたときの所得保障をするもので、受給後の状態変更については対応していない。これについて、受給権発生後の生活状況の変化にも所得保障を行ってほしいというご意見があり、議員立法で提案されたようだ」と解説する。

 一般に、年金制度では受給後に生じた条件変更による増額や加算は認められていない。

例えば、老齢厚生年金の受給者には一定要件の配偶者がいると、“年金版扶養手当”として「加給年金」と「特別加算」が支給される。だが、老齢厚生年金を受け始めた後で結婚しても、「加給年金」と「特別加算」は支給されない。今回の法改正でもこの点に変更はない。改正になるのはあくまでも障害年金の加算のみだ。

 障害年金の受給者は平成20年度末に約182万3000人。厚労省は来年4月の施行を目指しており、法案成立で新たに数万人が加算対象になると見込んでいる。

                   ◇

【用語解説】障害年金

 障害年金は病気やけがで障害を負ったとき、障害の状態が一定程度に該当すると支給される。国民年金に加入していた人や20歳前に障害を負った人に支給されるのが障害基礎年金。厚生年金に加入していた人には障害厚生年金が上乗せされる。年金受給年齢になった後で生じた障害には障害年金は支給されない。

 障害年金を受けるには条件があり、(1)初診日に国民年金か厚生年金の被保険者であること(2)初診日の前々月までの被保険者期間のうち、3分の2以上の保険料納付済み期間がある(免除期間も含む)か、初診日の属する月の前々月までの直近1年間に保険料の未納期間がない(3)障害認定日に年金の障害等級表の1級または2級の障害の状態になっていること−などとなっている。

(4月22日 産経新聞)
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2010年04月09日

年金問題:「消えた年金」、長岡で19人受給漏れ 最多で43万500円増額 /新潟

 納めた保険料の記録が残っていない「消えた年金」問題で、長岡市では19人の受給漏れがあったことが7日、分かった。追加支給は年額計約130万1900円で、最多では43万500円の増額だった。減額はなかった。

 市は、旧社会保険庁の業務を受け継いだ日本年金機構の調査に協力。連絡先が不明だった37人について、国民健康保険などの個人情報を基に電話や訪問によって調べた。調査拒否や死亡の7人を除く30人のうち、19人の受給漏れを確認し、連絡先を同機構に通知した。増額訂正された19人のうち5人は年額10万円を超えた。

(4月8日 毎日新聞)
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2010年03月31日

<年金記録回復委>脱退手当金巡り、救済認める基準


 厚生年金保険料の相当額を払い戻す脱退手当金制度(86年廃止)を巡り、長妻昭厚生労働相直属の年金記録回復委員会(委員長・磯村元史函館大客員教授)は29日、年金事務所窓口で訂正を認める新救済基準を了承した。

 制度は結婚などで厚生年金を脱退する際、納めた保険料を一時金として受け取る仕組み。算定期間漏れがあった人は19万人に及ぶ。

 新基準は「手当の支給日以前に、漏れていた厚生年金の加入期間がある」ことが要件。同じ年金番号に手当の対象期間と漏れていた期間がある人や、別の番号でも手当支給日から1年内に厚生年金に加入しているか、国民年金に加入し未納がないなどの場合、支給はなかったとみなす。

 また「ねんきん特別便」で記録漏れが見つかりながら年金が減額となるケースは、対象の受給者に訂正が必要か確認する方針で合意した。

(3月29日 毎日新聞)
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2010年03月25日

給付の“逆転”なぜ? 国民年金より高い生活保護



 ■増額には保険料アップ必須 新年金制度でも解消は難?

 自営業者らが受け取る国民年金(老齢基礎年金)は満額で年間約79万円。保険料を40年納めて受け取れるのがこの額だ。しかし、年金暮らしのお年寄りからは、しばしば「保険料を納めて受け取る国民年金が、生活保護より低いのはおかしい」との声が聞かれる。民主党は、すべての人が月に最低でも7万円の年金を受け取る「最低保障年金の創設」を掲げるが、新制度ができればこうした不満は解消されるのか。(佐藤好美)

 神戸市に住む自営業、早川俊彦さん(69)=仮名=は国民年金を受けて4年が過ぎた。受給額は満額に近く、月額6万数千円。50年近く自営業で働き、「事業はいつも厳しかった」(早川さん)が、若かったころは保険料も安く、一貫して国民年金保険料を納めてきた。妻は58歳だから、まだ保険料を納める側。年金を受け取るまでには7年ある。

 釈然としないのは、生活保護を受けている友人(72)の生活保護の額が早川さんの年金額よりも高いこと。単身で月14万円を受けているのだ。

 友人が生活保護を受け始めたのは約20年前。離婚し、病気で仕事ができなくなり、生活保護が認められた。友人の病気が極めて深刻だったこともあり、早川さんが代わりに銀行に行ったり、あれこれと面倒を見た。「性格的にいいやつだから、ほっとけんかった。一番の友人です」と早川さんは言う。しかし、友人の生活保護の額には納得がいかない。

 「いやあ、おかしい。聞けば聞くほどおかしい。うちは家内に国民年金が出ても、2人合わせて彼1人の生活保護費に届かない。2人で保険料を払って受け取る2人分の国民年金よりも、彼が保険料を払わずに受け取る1人分の生活保護費が高いのは本当に解せない」

 大阪府貝塚市の大場きぬさん(75)=仮名=の年金は月額5万3000円。市営住宅の家賃は数千円。「食費は娘に助けてもらっています」と言う。

 商売をしていた知人夫婦はかつて羽振りが良かったが、今は生活保護。「どれだけもらっているかは知りませんが、病院もただです。私は病院に行くのも節約しているのに、年金を納めた人より生活保護の人の方が楽に暮らしているのは、おかしいと思います」と話している。

 ■給付の“逆転”なぜ

 厚生労働省によると、平成21年度の老齢基礎年金は満額で月額6万6008円。

 これに対して、生活保護の受給者が受け取る「生活扶助額(日常生活に必要な費用)」は65歳の単身者で月額6万2640円〜8万820円。地方で低く、都市部で高いが、単身世帯では多くの地域で生活扶助が満額の老齢基礎年金を上回る。

 さらに、借家住まいなら、家賃にあてる「住宅扶助」も上乗せになる。厚労省の資料では、東京都区部などで68歳の単身者に住宅扶助が加算されれば、生活扶助と計で13万4520円になるケースもある。このほか、医療や介護サービスを使えば、その費用相当分も給付される。

 ◆比較対象ではない?

 単身者の生活保護費が老齢基礎年金より高くなる“逆転現象”について、厚労省は「両者は役割が違う」と説明する。

 「生活保護は生活できる最低水準を保障するもので、資産や親族の助けなど、あらゆるものを活用しても不足する分を支給する。これに対して、老齢基礎年金は納めた保険料に応じて給付しており、これだけで生活することを前提にしていない。資産や家屋、自動車、不動産なども所有できるし、自営業なら事業収入がある人もいる」

 老齢基礎年金は生活費の一部にすぎないが、生活保護は最低生活に見合う額が支給される。だから、両者は比較の対象ではないというわけだ。

 しかし、慶応大学経済学部の駒村康平教授(社会保障論)は、そもそも老齢基礎年金の水準が中途半端なことが問題だと指摘する。「生活保護の水準は厳密には改善の余地はあるが、おおむね妥当。問題は基礎年金だ。税金が半分投入されているものの、満額で6万6008円では衣食住は賄えない。ただ、基礎年金の額が低い理由は、保険料が低すぎるから。単身世帯の生活保護水準まで増やすには、保険料を倍にしなければ財政上つじつまが合わないが、それは現実的ではない」と、基礎年金の水準引き上げの難しさを指摘する。

 ◆最低保障7万円でも…

 では、民主党の掲げる「最低保障年金」が実現されれば、生活保護と基礎年金の“逆転”は解消されるのか−。民主党は今月、「新年金制度に関する検討会」の初会合を開き、年金制度改正に乗り出した。新制度の柱は「月額7万円の最低保障」だ。

 しかし、仮に実現できたとしても、7万円は依然、生活保護の水準よりも少ない。このため、生活保護制度にある住宅扶助や医療扶助は形を変えても残るだろうというのが大方の見方だ。年金しか収入がない世帯にすれば生活保護との逆転は納得しがたいが、新制度でも逆転現象の解消は難しそうだ。

(3月25日 産経新聞)
posted by ニック at 22:54 | TrackBack(0) | 年金 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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