後期高齢者医療制度で、保険料額を過大に年金から天引きされるケースが相次いだ問題で、6月13日の2度目の天引きでも、少なくとも45市町で過大に天引きされることが6日、毎日新聞の全国調査で分かった。市町から社会保険庁などへの訂正届け出が間に合わなかったことが主な原因。多くは本人の了解を得ており、返還方法も決まっているものの、新制度を巡る混乱の収拾に時間がかかる実態が浮かび上がった。
天引き額の修正ができないのは、徳島県の13市町、茨城県の8市町など。
保険料の天引き額は、各自治体から最終的に年金の保険者(社会保険庁など)に連絡される。厚生労働省によると、6月の天引き額を修正できるのは、本来は4月11日まで。ところが初回の4月15日に天引きミスが多発し、社会保険庁は急きょ5月9〜12日の間も再修正を受け付けたが、一部の自治体は対応しきれなかったという。
過大天引きを続ける自治体の一部は、10月以降の天引きなどで相殺する。10月には前年の所得を基に算定された保険料額が確定する予定で、その額に合わせて調整する。取り過ぎ分の返還は遅れるが、「1回の引き落とし額は2000円台が多く、大きな額でない。本人に事情を話して了解を得ている」(北海道登別市)という。
過大徴収には気付きながらも「システム運用の都合上、来年2月までの3回の徴収時に調整する」(岡山県井原市)自治体もある。いずれにせよ、過大に徴収した保険料を、自治体がそのまま預かることになる。
一方で「(天引き)当日に還付する」(山形県東根市)と、払い戻す自治体もある。
また、4月15日の天引きでは過大徴収や対象外の人から徴収したケースは、少なくとも160市区町村で1万4269人、1億2908万5314円に達した。過小徴収や徴収漏れは44市町、2万6904人、1億3318万2940円だった。4月の天引き対象外であるはずの健康保険の被保険者から徴収したケースや算定違いなどが主な原因だった。
4月に誤って過大に保険料を徴収し、6月も同額の天引きが続くことが判明した自治体(一部の被保険者について天引きを停止した自治体も含む)
<北海道>登別市、伊達市、陸別町<青森>平川市<宮城>大河原町<山形>東根市、小国町<茨城>古河市、守谷市、水戸市、鉾田市、河内町、土浦市、那珂市、日立市<埼玉>八潮市、坂戸市、栗橋町<岐阜>関ケ原市、中津川市<静岡>島田市<愛知>常滑市<鳥取>琴浦町<岡山>井原市<徳島>徳島市、鳴門市、小松島市、阿波市、三好市、勝浦町、神山町、那賀町、美波町、北島町、藍住町、上板町、東みよし町<愛媛>西条市<熊本>熊本市<宮崎>都城市、延岡市、日向市、日南市、三股町、美郷町
(6月7日 毎日新聞)

