「また特別便が来るの? 最初のはよく分からなかった。注意喚起の紙が入っていても分からないのでは」。昨年12月に特別便を受け取った千葉県内の女性(69)は話す。
夫(67)向けに送られてきた特別便には、厚生年金24年7カ月の加入履歴が記載されていたが、それがすべてと思い「訂正がない」と返送。その後、社会保険労務士を通して記録を照会したところ、最初に資格取得した時期より前の19歳の時に1年1カ月間、県内の企業に勤めていたことが分かった。
新しい特別便では、サンプルを示して加入前、加入履歴中、脱退後の空白部分に注目するよう呼びかける。窓口では、加入期間や会社名が正確に思い出せなくても本人確認のためヒントを伝える。
だが、同姓同名の人などによる「成りすまし」の恐れや、「個人情報保護法上、同意なく本人の記録を他人に伝えられない」(社保庁企画課)ことを理由に、現時点で基礎年金番号に結びついた記録しか載せないことは変わらない。このため、加入期間や勤務先などは記載しない。
土屋正忠衆院議員(自民)は「個人情報保護法は、目的外に個人情報を用いないという趣旨。今回は給付目的だ」と指摘。舛添要一厚生労働相は「最終的には一人一人の年金の確保が眼目」と述べ、再修正に含みを持たせている。
社会保険労務士の井原誠さんは「特別便は情報の伝え方などを工夫していなかった。これまでは窓口でヒントを伝えてきたのに、特別便開始後はかえって悪くなった。社保庁はその場しのぎの対応ばかりだ」と疑問を投げかけた。
(1月27日 毎日新聞)

