2010年12月15日

厚生年金記録、紙台帳と不一致100万人か


 年金記録をめぐる問題で、50歳以上の厚生年金加入者と受給者のうち、コンピューターで管理している年金記録と原簿の紙台帳の内容が一致していない人が8・1%に上っていることが14日、日本年金機構のサンプル調査で明らかになった。

 同機構では「厚生年金の加入者・受給者全体で、100万人前後が原簿と一致していない可能性がある」とみている。年金記録の不一致がこれほど大規模に生じているとの調査結果が公表されるのは初めて。記録問題が予想以上に深刻化する恐れも出てきた。

 政府は今年10月から、年金記録問題への対応策の柱として、厚生年金と国民年金の紙台帳の記録約9億5000万件のうち、重複などを除く約7億2000万件に対し、4年間かけて人海戦術でコンピューター上の記録と照合する作業に乗り出している。今回のサンプル調査はその一環で実施された。

(12月15日 読売新聞)
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2010年12月14日

年金支給額を5年ぶり減額へ=11年度、物価下落で―厚労相


 細川律夫厚生労働相は14日の閣議後会見で、2011年度の公的年金支給額を引き下げる考えを表明した。引き下げは06年度以来、5年ぶりとなる。

 10年度の支給額は、国民年金で月額6万6008円(1人分)、厚生年金で同23万2592円(標準的な夫婦2人世帯)。11年度の引き下げ幅は0.3%程度、数百円程度となる見通し。

 公的年金は、給付額を物価変動に応じて増減させる「物価スライド」を適用していたが、00年度から3年間は、物価下落にかかわらず、特例措置として年金額を据え置いた。このため、現在の支給額は本来よりも高い水準となっている。 

(12月14日 時事通信火)
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2010年12月12日

「首長の育休」どう思う? 〜職務と育児の両立は可能か


 今年、広島県の湯崎英彦知事(45)ら育児のために休暇を取る「育休」を宣言する“イクメン”首長が相次いで登場した。背景には、改正育児介護休業法の施行で、妻が専業主婦であっても夫の育児休業取得が可能になった事情がある。しかし、首長の育休には賛否両論があることも事実。ここでは、前半で12回の転職経験から民間の会社事情に詳しい経済評論家、山崎元さん(52)に話を聞き、後半は大阪府の橋下徹知事の発言が巻き起こした「首長の育休論争」について考察する。(村島有紀)

 −−首長の育休、どう思われますか?

 「仕事の負荷を最小限にしながら『男性も育休を取れるぞ』と、世論を喚起するために休んだにすぎない。育児の重要性を訴える効果はあったかもしれないが、首長が育休したからといって一般にはあまり関係ないのでは。特別職ですから」 

 《育児介護休業法は、雇用されている労働者が対象。休業中の賃金は労使の取り決めで決まる。無給の場合は雇用保険から最高で基本給の半額が「育児休業給付金」として支給され、仕事をする義務はない。一方、知事や副知事、市長ら特別職は勤務時間に定めがなく、24時間365日、自治体住民の暮らしに責任を負う》

 −−つまり、首長の育休には反対?

 「首長の任期は4年しかないのに、全く登庁せず、1カ月間職務から遠ざかるのは、現実的ではないし、正しいことでもない。数週間でも空白ができるのは望ましくない。育休している女性も、休んでいる間にできる仕事をして、少しでも継続していると復帰が楽。育児に専念するから仕事をしない、仕事をするから育児をしないという二分法では考える必要はない。民間企業の社長だったら仕事も考えながら、育児もする。何日休むかの問題より、仕事と育児を両立できる態勢を整えられるかどうか。その上で、休みを取ることで仕事のクオリティーがあがるなら、裁量を持って取ればいい」

 −−そもそも首長の職務と育児が両立しますか?

 「育児には何年もかかるわけだから、何日、何週間という単位ではなく、その後も幼稚園のお迎えを継続するなどして、公務と両立できる働き方を示せばいい。自分も工夫して役所のなかでも融通しあうことで、両立の仕組みが職員の間でも広がっていく」

 −−広島県の湯崎知事は、育児時間のために会議の時間をずらすなど県庁内での調整をお願いしたことを「迷惑をかけて申し訳ない」と“陳謝”した。これでは知事の育児が県庁にとって「迷惑なこと」になり、意識変化につながらない。

 「『申し訳ない』ではなく、『協力してくれて、ありがとう』といえばよかった。会議が本当に必要かどうかという問題もある。世の中にはお互いの仕事をじゃましあうような会議が多いですから(笑)。コアタイムだけ決めて必要な会議はそこでするとか、メールでやりとりするとか、やり方は色々ある」

 −−では危機管理上、問題という意見には?

 「災害など緊急事態が発生したときに、自分の仕事に戻れるようにしておけばいい。(もし、子供が病気で生死がかかるなど両方の緊急事態が重なったときに)育児の代わりを見つけるか、仕事の代行を頼むのかは、自分の裁量の範囲。育児でなくても、自分が病気になったり、災害で死亡したり、拉致されたりする緊急事態もあるわけだから、バッグアップをどうするかは常に考えておくべきだ。時間があるときに休みを取って、バッグアップ体制の点検をしてしたらいい」

 −−茨城県龍ケ崎市と東京都文京区で制定された特別職のための育児介護出産条例については。この条令では、首長は自分で宣言するだけで、何カ月でも何年でも休める。

 「首長が女性で、出産でどうしても離れないといけないというなら育休は仕方ない。結局、仕事と両立できる体制を整えられるか、整えられず辞任するかという選択。男性の市長の場合は、妻が産後、不安定で近くにいたほうがいいなどケース・バイ・ケースだろうが、ルールを決めておけば休みやすいのであれば、あってもいい。結局は、4年の間にどれだけの仕事をするかが問われているので、有権者が信任するかどうかの問題でしょう」

 −−育児をする首長のほうが、子育て環境の整備が進むと思いますか?

 「どこがポイントかわかるから、それはそうでしょうね。子供を持って初めて、保育所探しの大変さがわかる。私たちの場合は、保育園の立地を唯一最大の理由で転居した。それでも、定員いっぱいで、受け入れてくれないとなると保育園難民ですよ。今の状況は、子供を安心して産んで、働き続けられる状況にはなっていない。育児をする首長の登場で、変わってくるのでは。短期の産休・育休取得よりも、長期的な仕事と育児の両立が重要だと思っています」

 〈やまざき・はじめ〉昭和33年、北海道生まれ。東京大経済学部卒業後、三菱商事▽野村投信▽住友生命▽住友信託▽シュローダー投信▽バーラ▽メリルリンチ証券▽パリバ証券▽山一証券▽第一勧業朝日投信投資顧問▽明治生命▽三和総研(社名は当時)−の12回の転職を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、獨協大学特任教授、(株)マイベンチマーク代表取締役をつとめる。妻(41)との間に5歳と4歳の1男1女がいる。

         ◇

【首長の育休論争】

 大阪府の橋下徹知事が10月、湯崎知事らの育休取得に苦言を呈したのが論議の発端。その後、北海道の高橋はるみ知事が「知事に育休という概念はあり得ない。選挙で選ばれた自治体トップであり、住民の生命と安全を24時間守る責務がある。災害時、陣頭指揮を執らなければならない場面でも『子育てがあるからやらない』と言えるかが、本当の意味での知事が育休取得ということ」と指摘し、論争が過熱した。

 「社会意識を少しでも変えるという点では意味があり大事な発言だ」とする嘉田由紀子滋賀県知事、「知事といえども人の子」とする石原慎太郎東京都知事らは湯崎知事らの行動に理解を示し、知事の間でも意見が分かれた。

 その後、橋下知事は「議論をしてもらって(社会全体が)仕事に支障があっても育休を取るという機運になればいい」と、育休取得の普及が苦言の真意だと明かした。

■パフォーマンス?

 橋下知事の思惑に乗って「首長の育休」を取材した記者の印象では、社会全体で仕事に支障があっても育休を取るという機運の醸成にはほど遠い。

 湯崎知事の育休時間は第3子誕生後の1カ月の間で、上の子の幼稚園の送りが10回とお迎えが5回で、時間で換算すると約20時間だという。「公務に支障のない範囲」でしか、知事や市長が育休を実践できなかったことで、さらにその機運は後退した。

 なぜ、男性の育児参加が必要なのか。地域社会のつながりの希薄化や核家族化、個人主義的な考え方が浸透したために、初めて子供を持つような未熟な母親が、気軽に相談できる相手がいない。一方で、社会的に「男性は家事育児より仕事」の役割分担が変わらず、母親は孤立する。1人で育児を抱え込み、悩むことが子育てを難しくする。

 さまざまな要因から今の社会は、結婚し子供を持ちたいという人間としての自然な感情を育みにくくしている。

 男性の育児参加について全国で講演活動などを行うNPO法人ファザーリング・ジャパンの安藤哲也代表理事は「少子高齢化は中長期的な危機」とし、男性の育児参加の意味を足下から考えてみる必要があると主張する。

(12月11日 産経新聞)
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2010年12月08日

新入社員「農」で研修 京の会社、1月から企業向けサービス


 貸農園運営のマイファーム(京都市下京区)は、人材育成サービスのシュハリ(東京都)と共同で、企業の内定者・新入社員向けに農場での研修サービスを来年1月から始める。作業の段取りを考え、耕作する一連の行動を通じて、仕事を進める上での自身の課題や、他者への理解、チームワークの重要性を理解してもらう。

 同社が関西や関東、東海などで管理する貸農園を会場とし、1社当たり1日最大30人まで受け入れる。基本的なプログラムは実習と講義のセット。実習ではチーム単位で開墾、植え付け作業をする。講義ではシュハリの担当者がチームでの作業で重要なことなどについて話す。

 同社の岩崎吉隆共同創設者は「実際に体を動かすことで会議室内とは異なる研修ができ、達成感も味わえる」としている。

 研修は1日30万円から。作物の成長に応じてアフターフォローの研修をしたり、会社の農場として借りることもできる。すでにIT(情報技術)関連企業から問い合わせがあるといい、1年間で50社の受け入れを目指す。

(12月8日 京都新聞)
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2010年12月02日

不当解雇や不払い、全国で無料電話相談 連合など


 不当解雇や賃金不払い問題などに対応するため、連合は6、7日に無料の電話相談「全国一斉・年末労働相談ダイヤル」(0120・154・052)を開設する。地方連合に配置した専門相談員らが就労に不安を持つ人にアドバイスしたり、支援制度を紹介したりする。4、5日には傘下の全国ユニオンが派遣労働者向けに「派遣切りホットライン」(050・5808・9835)を開設する。

 一方、日本労働弁護団は4日、31都府県で弁護士による「全国一斉ホットライン」を開く。各地の電話番号や実施時間は、弁護団のホームページ(http://roudou-bengodan.org/)に掲載する。

(2010年11月30日 asahi.com)
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2010年11月25日

賃金不払い:容疑で警備会社を書類送検−−労基署 /徳島


 徳島労働基準監督署は24日、徳島市の警備会社「関西警備保障」と同社の監査役(68)を最低賃金法違反の疑いで徳島地検に書類送検した。

 送検容疑は、阿南市の30代の男性従業員に対し、2〜6月の5カ月分の賃金計約35万円を所定の期日までに支払わなかったとしている。同労基署によると、同社は数年間、事実上の破産状態が続いていたという。

(11月25日 毎日新聞)
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2010年11月22日

若い世代に遠い存在ハローワーク 「新卒向け窓口」も閑古鳥?


 新卒大学生の就職内定率が、とうとう「就職氷河期」を下回ってしまった。一向に改善しない雇用状況に、政府はハローワークを拡充、新卒学生の支援窓口をつくって活用を促す。

 ところが、肝心の就活生たちがハローワークに行かないというのだ。背景には、自分たちとは関係のない施設との思い込みや、頑ななまでに「情報サイト」に頼ろうとする姿勢も影響していると見られる。

■新卒者に特化した就職窓口を開設

 「57.6%」。2010年10月現在における、11年春卒業予定の大学生の就職内定率の数字だ。文部科学省と厚生労働省が11月16日に発表、1996年の調査開始以降最低の水準で、いわゆる就職氷河期を下回る落ち込みとなってしまった。

 これを受けて、細川律夫厚生労働相は同日の記者会見で、就職活動に励む新卒者に「ぜひハローワークを活用してほしい」と語った。実は10年9月から、ハローワークに新卒者向けの「特設」窓口を全国に開設し始めたのだ。「新卒応援ハローワーク」と呼ばれる施設で、全国では55か所、東京都内にも港区と八王子市の2か所に設置されている。

 東京都の場合、ハローワークによっては34歳以下を対象にした職業相談所を設けている。東京労働局職業安定部に聞くと、新卒応援ハローワークは「34歳以下」の施設とは別に、新卒者と、大卒3年以内の既卒者に絞って支援するようだ。個別の就職相談に応じるだけでなく、求職者と企業とのマッチングを実施、さらに大学と連携して就職面接会なども行うという。

 スタートして間もないこともあり、学生がどこまで認知しているかは疑問だ。「就活のバカヤロー」などの著書があり、就職問題に詳しいジャーナリストの石渡嶺司氏は、「大学の就職相談窓口以外のチャネルが増えるのはよいが、学生たちに知れ渡っていないのではないか」と見る。ハローワークが大学との連携を強め、大学以外の相談窓口を利用するメリットを学生に訴えかけないと、せっかくの施設もどう使ったらいいのか不明なままだというのだ。

■就職情報サイトで仕事を探すのが今では主流

 そもそも新卒者にとって、ハローワークを就職活動で利用しようと考える人は少ないと石渡氏。この点は、東京労働局職業安定部も「ハローワークは転職者や年齢の高い人向け、というイメージがあるかもしれません」と認める。だからこそ、新卒応援ハローワークは有益な情報を得られる利用価値の高い施設だとアピールしたいところだ。

 だが問題なのは、新卒者に限らず、若年層に「ハローワークに行く」という発想が薄いようなのだ。有料の就職情報サイトで仕事を探す手段が今では主流で、石渡氏によると「ハローワークに行く『文化』がない」という。最近話を聞いた就活中の若者に対して、石渡氏がハローワークを勧めてみたところ「私が行ってもいいんですか」と逆に問われたそうだ。それだけ、若い世代にとって遠い存在になっていると思われる。

 数十社回っても内定が出ない状態が続くと焦りはつのり、結果が伴わないことで心身ともに疲れ果ててしまう。「そうなると『ハローワークを利用しよう』という考えすら及ばなくなって、頑ななまでに就職情報サイトに固執するケースが見られます」と石渡氏。利用すべきところを利用せず「勝手に諦めてしまっている」悲劇に陥るというのだ。

 「望みどおりの求人が見つかるとは限らないが、ハローワークを活用する意義はある」と石渡氏は話すが、ネットを見ると、最近ではハローワークを訪れる人そのものが減っているという書き込みも見られた。「若い人たちにも浸透してきて、実感として利用度は増している」と東京労働局職業安定部では説明するが、ハローワークを知らない世代や「就活疲れ」の人たちが増えると、せっかくつくった「新卒向け窓口」にも閑古鳥が鳴く恐れもある。

(11月22日 J-CASTニュース)
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2010年11月18日

高裁も「労働時間」認定 病院の当直勤務


 病院の当直勤務は割増賃金が支払われる「時間外労働」に当たる、として、県立奈良病院の産科医2人が県に相当額の支払いを求めた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁は16日、計約1500万円の支払いを命じた一審奈良地裁判決と同様に「当直は労働時間」と認定。双方の控訴を棄却した。

 産科医側の弁護士は「高裁では初めての判断。同様の問題は全国にあり、影響は大きい。労働環境の是正には医師を増やすしかなく、国レベルでの対応が必要だ」と話している。

 判決理由で紙浦健二裁判長は、分娩の6割以上が当直時間帯だったことや、通常勤務と合わせて連続56時間勤務になることもあった過酷な労働実態に触れ「入院患者の正常分娩や手術を含む異常分娩への対処など、当直医に要請されるのは通常業務そのもので、労働基準法上の労働時間と言うべきだ」と指摘。

 また、当直医は勤務を途中で離れられないことから「(実働時間以外も含む)当直勤務全体について割増賃金を支払う義務がある」とした。

 呼び出しに備えて自宅などで待機する「宅直勤務」については、一審に続き労働時間と認めなかったが、紙浦裁判長は「負担が過重になっている疑いもある」と言及し、県知事らに実情調査と体制の見直しを促した。

 判決によると、奈良病院の産婦人科では2004〜05年、医師5人のうち1人が交代で夜間や休日の当直勤務を担当。産科医2人は2年間で各約210回、当直勤務に就いた。分娩に立ち会うことも多く、十分な睡眠時間が取りづらかったが、一回につき2万円の手当が支給されるだけで、時間外労働の割増賃金は支払われていなかった。

(2010年11月16日 産経新聞)
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2010年11月17日

年金未納分事後納付の受付は3年に


 民主、自民、公明の3党は15日、国民年金未納分の事後納付を2年分から10年分に延長するとした国民年金法改正案に対し、事後納付できる期間を3年に限定することで基本合意した。事後納付できる期限を設けていなかった政府案に対し、自民党などは未納が増加する可能性があると指摘していた。3党は改正案を修正し、今国会での成立を目指す。

(11月15日 産経新聞)


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2010年11月16日

日航の整理解雇決定 パイロットなど百数十人 労組反発で再建計画に影響も


 経営再建中の日本航空と管財人の企業再生支援機構は12日、パイロットと客室乗務員を対象に強制的に雇用契約を解消する「整理解雇」を実施することを正式に決定した。9日に締め切った主力運航会社「日航インターナショナル」で募集していた希望退職者が目標の1500人を百数十人下回ったことから、強硬措置に踏み切る。

 整理解雇の詳細が決まるまでは、希望退職の募集を延長し、できるだけ解雇対象者を減らしたい考えだ。ただ、労働組合側の反発は強く、予定通りの人員削減が実施できるかは不透明で、今後の再建計画に影響が及ぶ恐れもある。

 整理解雇の人数は、パイロット約100人、客室乗務員数十人となる見通し。整備部門など他部署では早期退職で目標人数に達しており、対象としない。

 日航は、人員削減を含む更生計画の認可を月内に受け、来年3月末までに更生手続きを終えたい考え。欠勤日数や休職期間などの解雇基準を労組側に提示した上で候補者を選定。来月から解雇を通知する方針だ。

 整理解雇には、(1)人員削減の必要性があるか(2)解雇回避努力義務を尽くしたか(3)説明など手続きは妥当だったか(4)被解雇者の人選は合理的か−の4条件を満たす必要がある。

 組合側は、平成22年9月中間決算で1000億円規模の利益を上げていることなどから、人員削減の必要性に疑問を呈しており、「すべての選択肢を検討する」と、ストも辞さない構え。

 労働問題に詳しい早稲田大学大学院の島田陽一教授(労働法)は「整理解雇では、被解雇者の人選がもっとも難しく、訴訟になるケースも多い」と指摘する。

 すでに希望退職をめぐっては、一部の組合とパイロット87人が、退職の強要の差し止めを求め提訴しており、労使間の調整が難航するのは必至だ。

 日航の経営悪化の背景には、パイロットや客室乗務員らの高給体質に加え、多数の労組が乱立し、人員や人件費の削減に手を付けられなかったことが一因としてある。

 日航は、取引先銀行団からの強い要請を受け、整理解雇に踏み切る。銀行団などには、3200億円の借り換え融資や二次破綻を防ぐための500億円規模の追加出資を要請している。再生の“試金石”ともいえる整理解雇に手間取れば、追加支援に難色を示す可能
性がある。

   (2010.11.13 産経新聞)
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